愛しい人の 健康を願うしあわせ 東京都　M邸

何度も入退院を繰り返してきた。
ガンのため、手術や放射線治療などでお父様のからだは弱っていた。
二人の息子さんのうち、弟様は西洋医学の薬剤師さん。
その弟様の勧めで最先端の治療を受けてきた。たしかに短期間に患部は取り去られる。
しかし、患者の体に与えるダメージも莫大だ。

そんな父をずっと見守ってきたお兄様。漢方の薬局を営む彼には彼なりに、お父様に受けさせてやりたい理想の治療があったことだろう。だが、静かに見守ってきたのだった。

そしてある日、家には、お父様のために毎日家で温熱療法が出来るようにと2台の岩盤が用意されていた。お兄様からのプレゼントだった。いつもテレビを見て過ごすリビングのソファの足元と、寝室のベッドに岩盤は置かれた。バドガシュタイン鉱石にラジミックスボーダーの入った最高にエネルギーの高い石だ。リビングでゆっくりくつろぐのがお好きなお父様。ほどよくあたためられた石の肌にからだを横たえ癒されるお父様の姿。そんなお父様に特別に言葉をかけるわけでもなく、息子さんはただ見守っていた。

愛しい人の健康を願うしあわせな気持ちで…。